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【高2留学】越境経験を通じて、自分の進路とどう向き合ったか|2期生体験談|連載第2回

こんにちは、地域みらい留学365、2期生の中西陽琉です。1月の第1回目の連載記事に引き続き、今月は「越境経験を通じて、自分の進路とどう向き合ったか」というテーマで記事を書かせていただきます。

<プロフィール>
名前:中西陽琉(地域みらい留学365 2期生)
在籍校:成蹊高等学校(東京都)
留学先校:高知県立嶺北高等学校(高知県)
進路予定:成蹊大学


▶進路選択のきっかけ

 私は中学校受験で、小学校から大学までの一貫校である成蹊中学校に入学し、現在は成蹊高等学校に通っています。高校生活では病気になり留年を経験したことで、人より多くの時間をかけて進路選択について考えることができました。そもそも1度目の1年生の頃は体調が悪かったことや、附属校に通っていたことを理由に、大学受験することは考えていませんでした。
 そんな私が受験について考えるようになったのは、2度目の1年生の頃に、共に福祉活動を行っていた友人から、総合型選抜(AO入試)の推薦状の執筆を依頼されたことです。そもそも私は大学受験をし受験に挑戦することに価値を感じていましたが、勉強に苦手意識のあった私は受験をすることを諦めていました。しかし、新しいことに挑戦し、それを続けることには自信があったのです。文化祭での有志団体としての活動や、その後の福祉活動、部活を新設しようと奮闘したりと様々取り組みました。そんな得意な分野を活かし、探究力を評価してくれる受験方式こそが総合型選抜だったため興味をより持つようになりました。そして総合型選抜を知ったからこそ、興味のあることに不安なく挑戦できた私は地域みらい留学365に挑戦できたと思います。
 留学先では、今まで自分が持っていた固定概念が崩れる経験を沢山しました。それは今まで関わってきた人とは異なる価値観を持った人が周りにいたからです。留学経験を踏まえて、進路に対しての価値観の変化や、これからの人生設計を見直すことになった私は総合型選抜に挑戦することを決めました。しかし、結果としては合格を得ることができなかったため、最終的には内部推薦で成蹊大学への進学を選択しました。

地域みらい留学365ならではの進路問題

 地域みらい留学365に行くことを知人に伝えた時や、留学を迷っている高校生から質問される時に、よく聞かれることが進路についてでした。

「大学はどうするのか」
「留学することで勉強進度に遅れがでないのか」
などです。

 実際に私と共に嶺北高校へ留学した友人は、「留学をするなら指定校推薦は利用できない」と学校側から言われたそうです。そんな心配が考えられる地域みらい留学365に挑戦した理由は、偏差値では図ることが難しい「人としての魅力」を獲得することができると感じたからです。勉強をただこなすのではなく、他者と共存することでの考え方の成長や、物事を探究する力を伸ばすことで、最終的には思い描く未来を自分の手で作ることができると考えました。たしかに私は成蹊大学に内部推薦でいくことができるため、人より不安が少なく、留学を決意できました。しかし、内部推薦が無くても私は留学をしていたと思います。なぜなら、留学に行くことでの成長を活かし、受験をすることができる総合型選抜に挑戦してみようと考えていたからです。

留学で見つけたじぶん軸

 私が総合型選抜への挑戦を決意したのは、留学をしている時に周囲の人と話す機会が増えたことで自分の考えを整理することが出来たからでした。その時に私が気づいた最も軸となる考えが2つあります。

ー自らの力での未来の開拓ー

 1つ目はただ社会的「正解」にあわせることなく、自分が将来ありたい姿から逆算をして、今の自分に必要なことをするということです。この考えが芽生え始めたのは中学生のころです。「楽だから」「友達がそうするから」という理由で付属の高校・大学に行くことに違和感を覚えたことが始まりでした。違和感を解決するために、中学の友人と進路について話しましたが、最終的にたどりつくのは、選択肢を減らさないために偏差値の高い大学に行くべきというものでした。確かに数多くの人にとっては選択肢を減らさないための行動は最善であるように感じます。しかし、その考えが私にとってベストであるのかを、その時は判断することができませんでした。なぜなら当時は自分の持つ価値観を、自分でも理解しきれていないところが多かったからです。そのため様々な価値観に触れ、自分の考えを客観的に理解するために留学に挑戦したのだと、今なら言えます。

 留学に行き自分の進路に対する価値観に気づくことが出来たのは、留学してすぐ、友人との川遊びの帰り道、進路に対する考え方について話したときのことです。その時友人は「大学に行って学びたいことが見つからない、だから大学に行くか迷っている」と話してくれました。これを聞いた私は、自分が”大学進学イコール将来の道であるという捉え方をしていた”ことに気づきました。もちろん人生の通過点であることに変わりはありませんが、本来の学問を学ぶ場所であるという捉え方が疎かになっていたのです。その時に私は、幼い頃から興味を持っていた政治学について学ぶために大学に行きたいのだと再認識しました。単純なことですが、自分が何をしたいのかを考え、そのための行動をすることが大切だと考えたのです。

ー私の歴史を大切にー

 2つ目は後悔をしないかどうかです。私は留学に行き様々な後悔にも直面しました。人を傷つけてしまったことや、病気を言い訳にし努力を怠ったこと、周りがみえなくなったことなど、後悔はここでは挙げきれないほどありました。ここから感じたこととして、未来は努力次第で変えることは出来ても、過去は変えられないということです。これはよく言われる「起きてしまったことは変わらないから、過去を振り返らずに前を向こう」という意味ではなく「未来は自らの手で作り上げることができるけど、過去は変えることが出来ないから丁寧に後悔のないように進むべき」という意味です。たしかに過去を振り返るだけでは前を向くことは出来ないと思います。しかし、私は自分を形作ってきた過去を大切にしたいという思いが強いのです。だからこそ将来、過去を振り返った時に後悔をしないかはとても大事だと考えたのです。

 留学中にこれらの2つの自分が大切にしたい軸に気づき、後悔がないように、自らの力で進路選択をしていくことに魅力を感じたため私は総合型選抜での大学受験を選択しました。結果としては大学受験で合格をもらうことはできませんでした。しかし、軸を揺らがせることなく挑戦をすることができた大学受験はこれからの自分の行動指針にもなったと感じています。

受験とこれから

ー受験に挑戦してー

 受験の準備をする中で一番感じたことは、興味のある分野を勉強することの楽しさでした。総合型選抜の最も特徴的な探究活動ですが、自らの興味のある分野を突き詰められることは、興味の対象がはっきりしている自分にとっては充実した時間になりました。準備を通して自分がなぜ政治について大学で学びたいのか、何を学びたいのかをはっきり持つことができたのです。しかし、受験には壁があったことも事実でした。周りの受験生の作成した資料の完成度が高く焦りを感じ、自分の探究のやり方に自信を持てなくなったこともあって、体調を崩してしまいました。そんな中、塾のスタッフの方、家族や友人が、私の体調に寄り添いながらサポートをしてくれ、なんとか自分の中での全力を出し切ることができました。私はこの受験を通して人の支えがあっての”自分”であることを再認識しました。

ーこれからの進路ー

 私は地域みらい留学を経験したからこそ、受験に失敗してしまった後の内部推薦でも肯定的に捉えることができました。なぜなら留学中に出会った周りの人の存在です。周りの目や、失敗した時のことばかりを気にするのではなく、挑戦する姿や興味のあることに一心不乱に突き進む姿勢を見たからです。そんな私にはこれから挑戦したいことが沢山あります。3年前から続けている社会貢献活動や、日本中を繋ぐ国内留学の仕組みづくりの整備、大学での政治の勉強などなど、キリがないほど挑戦したいことがあります。先述した自分の軸を大切に、怖気付くことなく挑戦することを続けていきたいと思います。

これにて、2回目の連載は終了です。かなりボリューム感のある記事でしたが、いかがだったでしょうか。皆さんの進路選択の参考に少しでもなれば、嬉しく思います。

最終回となる3回目の記事は、4~5月の公開を予定しています。お楽しみに。


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