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【大学合格体験談#1】自然の中で好きなように生きられる山形に残りたい

 澤田旭さん(以下、旭さん)は、地域みらい留学を利用し、神奈川県から山形県立小国高等学校(以下、小国高校)に進学をしました。その後、小国高校や小国町での留学生活を経て、この冬、山形大学に学校推薦型選抜で合格。そのまま山形に残る決断をされました。旭さんに、なぜ神奈川県や都市部に戻らず、山形県内での進学を決断したのか、その決断をさせた山形での留学生活がどのようなものだったのか話を伺ってみました。


親元を離れ、自分を律するための留学挑戦


―なぜ、地域みらい留学で小国高校に行こうと思いましたか。

旭さん 中学3年生になって、進路を考えだしたときに、親元を離れて自分ひとりで暮らした方が自分を律することができるのではないかと考え、地域みらい留学に挑戦してみようと思いました。小国を選んだのは、出身の神奈川県と違って、雪が降る地域だったのは決め手のひとつです。町の中にゲレンデがあって、授業終わりの放課後にスキーに行ったりできる環境だと聞いていいなと思いました。それだけでなく、地域の人と学校の繋がりが密接にあるということも小国高校を選んだ理由のひとつです。

―留学生活の中で印象的だったことはどんなことでしょうか。

旭さん ふたつあります。ひとつ目は、小国には様々な国籍の方が訪れるので、多様なバックボーンをもつ人と繋がりを作ることができたことは印象的です。これがきっかけで英語を好きになることができたり、海外に関心を持てるようになりました。
ふたつ目は、町の教育委員会の方々と小学生向けの遊び場を作る活動をしたことです。関わってくれた教育委員会の方とのコミュニケーションが同世代のそれとは違うなと感じました。人に合わせたコミュニケーションの違いや難しさを感じることができたこととともに、礼儀やマナーを学べたと思っています。

―留学中で苦労したことはあるのでしょうか。

旭さん もちろんあります。寮生活をする中での、寮生との関係についてです。価値観の違う人同士で共同生活をしていると、当然ながら衝突も生まれます。そうした衝突が起きたときに、どのように立ち回るのがいいのか、どう接していくのがいいのか等、日々悩みながら寮生活をしていました。苦労もあったと思っていますが、こうした日々の経験があったからこそ、人間関係に気を遣うことができるようになったと感じます。



自然の中で好きなように生きられる山形に残りたい


―では、進路について聞かせてください。

旭さん 学校推薦型選抜で、第一志望だった山形大学の地域教育文化学部に合格しました。留学をし始めた高校1年生の頃は、関東や神奈川に戻ろうと思っていたのですが、留学生活を経ていく中で、山形県に残るという決断をしました。

―なぜ、そのような決断に至ったのでしょうか。

旭さん まず、山形の“自然に左右される生活”が好きだと感じていました。都心のように人に左右されることもなく、自然の中で自分の好きなように生きられる。神奈川に帰省するときに、東京をいつも経由するんです。その時の人の多さにも少し嫌気がさしている自分がいました。空気感が合わないのかもしれない。それならば、このまま山形に残るのもいいかもと、そう思うようになっていました。
もうひとつ帰省時にいつも感じていたことがあるんです。帰省すると、ついつい親に甘えてしまう自分がいるなと。このこともこのまま山形で自分の力で生きていくのもいいんじゃないかと思った動機のひとつです。


小国ならではの探究活動や手厚いサポートが進路実現の背中を押してくれた


―どのように学科選択をしていったのでしょうか。

旭さん 進路に選んだのは、山形大学の地域教育文化学部の児童教育コースです。中学2年生頃から漠然と児童教育や保育という領域には興味があったのですが、小国高校での探究活動の中で、子ども達に接する機会があり、その子ども達が自分の接し方ひとつで閃きや新たな発見をしている姿を見て、教育や学校を通して子どもたちの生活を支えていきたいと強く思うようになりました。

―学校推薦型選抜で受験するにあたり、小国での経験が生きたことはありますか。

旭さん 小国高校では、探究活動を通して、とにかく地域の人たちと接して、話すという機会が沢山あります。自分が嫌でも、やりたいことややってきたことを話す機会が半強制されることで、今ではすごく力になったと思っています。自分の考えを言語化する力やコミュニケーション能力は向上したと思っています。
あとは、知識不足を感じていた時に、先生がおすすめの本を紹介してくれたり、児童教育に関する新聞記事をまとめてくれたりしたことは本当に助かりました。小規模高校だからこその手厚さにサポートしてもらったと思います。

―大学に入ったらどんなチャレンジをしたいでしょうか。

旭さん 海外に関心がありますね。小国で海外の方と接する機会に恵まれたことと、高校1年生の時に小国高校のプログラムでアメリカに行く機会がありました。そうした経験から海外への関心が強くなってきていて、大学でも海外留学に挑戦してみたいと思っています。

(取材:みらいハイスクール事務局 及川 / 編集: 小谷)

※本取材は、地域みらい留学に参画する学校の中でも、一部の学校が協働して取り組んでいる「みらいハイスクール」推進活動の一環で取材を行っております。みらいハイスクール共創校の総合型選抜・推薦型入試の合格実績速報ページはこちらからご確認いただけます。