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自分のやりたいことを見つけて、自分で進路を選択する

この春、島根県の松江市立第二中学校を卒業した長島さらさん(以下、さらさん)。卒業後は、地元島根県ではなく、「地域みらい留学」の仕組みを活用し、徳島県の徳島県立海部高等学校(以下、海部高校)へ進学するとともに、寮生活が始まります。当初は「地域みらい留学」にあまり興味がなく、島根県内の高校へ進学するつもりだったと話すさらさん。そんなさらさんが、どのような経緯で海部高校への越境を決め、徳島県海陽町でどんな高校生活を過ごしたいと思っているのか、インタビューさせていただきました。

今春から徳島県立海部高等学校に進学するさらさん


人前に出ることは得意ではない中学時代

― まずは中学時代で印象に残っていることを教えて下さい。
 
2つあります。ひとつ目は部活ですね。バレー部での活動には、日々熱中していました。各地への遠征も行きましたし、中国大会に出場したことも良い思い出です。ふたつ目は、学級委員になったことです。人前に出ることは得意ではないのですが、担任の先生の推薦もあって、挑戦してみようと思いました。実際にやってみると、人前に出たり、みんなをまとめたりすることは大変なことも多かったけど、楽しかったなという思いの方が強いです。クラスをまとめる力が少しはついたのではないかなと感じています。
 
― そんな中、地域みらい留学に興味を持った時のことを教えてもらえますか。
 
中学1年生の時に、お母さんに勧められたことが始まりです。当時は、あまり興味がわかず、そんな選択肢もあるんだ程度にしか思いませんでした。でも、中学3年生になり、いよいよ自分の進路を考えるということが目の前に迫ってきたときに、改めて地域みらい留学をちゃんと調べてみたんです。バレーを高校でも続けたいと考えていたんですけど、調べていくうちに、部活動に力を入れている学校もあることが分かりました。それがわかったことで、本格的に地域みらい留学での進学に意欲が高まったと思いますね。

ひとつひとつ丁寧に言葉を紡ぐさらさん


不安や恐怖心がすっと消えていった

― 100校以上、選択肢があると思いますが、どのように学校選びをしましたか。
 
選ぶときのポイントが3つあって、1点目にまず遠すぎないことは私にとって重要で、何かあったとき、島根に帰ることができる範囲から探しました。2点目に、自分の好きな県であることも大切な選択の材料でした。四国は中学校の部活の遠征で行ったことがあって、あたたかくていいなと思っていたんです。そして、3点目は部活に打ち込める環境かということでした。結果として、愛媛県立三崎高等学校と徳島県立海部高等学校のどちらかという選択になりましたね。お母さんがよく相談に乗ってくれていたので、安心して学校探しが進められました。
 
― そこから海部高校を選択した決め手は何だったのでしょうか。
 
海部高校の体験入学の雰囲気がとても良かったんです。部活も力を入れてやっているけど、みんな楽しそうに活動していることが伝わってきました。そして、何より印象的だったのは、帰り際に先輩たちが私のもとにワッと集まってきてくれ、和気藹々と話をすることができました。それまでは、どこかに不安や恐怖心があったのですが、そうした気持ちがすっと消えていったことをよく覚えています。些細なことだけど、この時間が私にとっては決め手のひとつだったと思いますね。

残り少ない松江での生活を踏みしめる


自分のやりたいことを見つけて、自分で進路を選択してほしい

― 入試はどんな感じでしたか。
 
学力の試験では、数学が難しかったですね。面接では、志望理由や中学校で頑張ったこと、高校で入りたい部活は何かなどが聞かれました。緊張はしたけど、中学校の先生も私の進路選択を応援してくれて、面接の練習もしてくれたので、乗り越えることができました。周囲の友達が「頑張れよ」と応援してくれたことも大きな力になっていたと思います。
私の場合は、部活のことを中心に、地域みらい留学で進学を決めましたが、後輩たちには、自分のやりたいことをしっかり見つけて、自分で進路を選択してほしいなと思います。
 
― 海陽町・海部高校でどんな生活をお送りたいですか。
 
まずは、部活を頑張りたい。勉強ももちろん手を抜かずに。寮生活なので、みんなで一緒にご飯を食べたりする時間もとても楽しみです。寮の仲間がいると、勉強なども助け合いができるので、そこも楽しみだと思える点ですね。海陽町は、松江市にいつもあるようなものはありません。でも、町を歩いてみれば、お洒落なカフェがあったり、おじいさんが一人でされている美味しい定食屋さんがあります。そんな地域で自分は何ができるのか、それは行ってみて見つけていきたいと思っています。
 
最後に、普段はあまり言えないですが、今だからこそ家族に「これまでありがとう」と伝えたいです。地元を離れることはさみしいし、寮で自立して生活できるか不安もあるけど、徳島での高校生活を楽しんできたいと思います。

(取材:古志優菜・小谷祐介 編集:小谷祐介 撮影:古志優菜)


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