テーマ別学校説明会「特徴ある学科(農業)」開催レポート
学校紹介①『農商連携で学びを深める』_遠野緑峰高校(岩手県)
遠野緑峰高校は東北地方岩手県の内陸と、三陸海岸の中間に位置しています。学校の敷地内に農場があるため、敷地面積が広いそう!
遠野緑峰高校には、農業を学ぶことのできる「生産技術科」と商業を学ぶ「情報処理科」の二つの学科があり、全校生徒数は144名です。
生産技術科には、生産科学コースと生活文化コースの二つのコースがあります。生産科学コースでは、稲作や肉牛の飼育、りんごなどの果樹の生産、草花について学ぶことができます。一方の生活文化コースでは、被服や調理などの家庭科の専門について学びます。
プロジェクト活動に力を入れており、全国大会でも好成績を残しています!
情報処理科は、商業の学科です。簿記や会計の基礎を学んだり、パソコンやタブレットの基礎的な知識を身につけ、プログラミングなどを学ぶこともできるそう。
地域のIT企業と連携した授業が行われたり、資格取得に力を入れていたりと身になる授業が多いことが印象的でした!
遠野緑峰高校の魅力の一つに二つの学科が連携し、力を合わせている「農商連携」があるのだとか!
生産技術科が生産・加工した商品を、情報処理科の生徒が販売するという取り組みが実際に行われているそう。昨年はネット販売に挑戦するなど、新しい取り組みも始まっています。
また、「地域×専門分野の学び」のプロジェクト型学習も。1年生で地域を知り、2年生ではそれぞれの学科特有の学びを生かして地域課題を研究、3年生で研究の成果を発表することで地域への還元を行なっているとのことでした!
部活動については、馬事研究会という珍しい部活もあるそう!卒業後の進路は就職が7割、進学や3割程度とのことでした。
「もっと遠野緑峰高校のことを知りたい!」という方は是非学校説明会に参加してみてください!
学校紹介②『夢決めた! 農で生きる』_高鍋農業高校(宮崎県)
高鍋農業高校は、宮崎県の海岸線のちょうど真ん中に位置する高鍋町にあります。お茶やキャベツ、畜産などが盛んな街で、県外からの移住者も増加傾向にあるそう!
学校の敷地面積が広いことが特徴的で、学校の校舎、畑作や果樹、牧場、寮、水田など合わせて54haもの広さがあります。(東京ドーム11個分以上もの面積があるそう…!)
そんな高鍋農業高校は、園芸科学科・畜産科学科・食品科学科・フードビジネス科の4つの学科があり、園芸科学科と畜産科学科は県内県外問わず入寮が必須になっています。
園芸科学科では野菜・草花・果樹の栽培等について学習していきます。実習を中心とした授業が1年生の頃から始まるため、毎年楽しそうな生徒の様子が伺えるそう。
また、3年生が中心となりながら2年生や1年生に指導しながら育てていくこともするそうで、縦のつながりができることも素敵なポイントなのではないでしょうか!
スマート農業にも力を入れており、乗用草刈り機やラジコン草刈り機なども使ったり…。宮崎県特産のマンゴーも育てられていて、地域性を感じるポイントでした!
畜産科学科では、乳牛・和牛・豚など幅広く学ぶことができます
また、肉用牛に関して、これまでは仔牛を繁殖することを中心に行ってきましたが、最近肥育用の牛舎が新設されたため、30頭の肥育が可能になったとのことでした。生産から肥育まで一貫して学べる非常に設備の整った環境になっています!
豚に関しても子豚の生産から直売所に卸すところまで行うそう。
寮に関しては、400人入ることのできる寮に現在は150名の生徒が入寮しています。本来であれば2人部屋のところ、コロナの関係で1人一部屋になっているそう。
3食・光熱費込みで寮費が月15,000円と安いことも、魅力の一つですね…!
体験入学などのイベントも開催されているので、高鍋農業高校が気になる方は是非一度、高校に問い合わせてみてください!
学校紹介③『阿蘇の南山麓で学ぶ食・農・森林』_矢部高校(熊本県)
九州の自然豊かな街である山都町にある矢部高校からは、生徒の皆さんが説明をしてくださいました!山都町は標高が300~900mの冷涼な土地で、綺麗な水とミネラルを多く含む豊かな土壌があるため、農業や林業が盛んなんだそう。
食農科学科では、農業や家庭科目を中心に、様々な学びができるとのことでした。2年生から農業科学コースと食・生活コースに分かれて学習!
農業科学コースでは、メロンをはじめとする農作物やパンジーなどの草花を育てているそう。また、学校や地域でとれた柚子やブルーベリーを活用してジャムを作り販売するなど、生産から加工・販売までを一貫して学ぶことができる環境があります。
食・生活コースでは、ケーキを作ったり、被服の授業でワイシャツを作ったりと技術を身につけることが可能。保育実習に行ったりすることもできるなど、幅広い学びが提供されていることが伺えました!
そんな矢部高校の卒業後の進路は多様!大学への進学や専門学校への進学、地元企業への就職など、それぞれに合わせた進路選択が可能になっています。
と現役高校生から、中学生へのメッセージもいただきました!
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林業科学科では、その名前の通り森林や林業、環境について学ぶことができるそう。「理系でしょ?」というイメージを持たれがちですが、文系の科目も多く開講されているとのことでした。
演習林で、高性能林業やドローンについて、測量などを学んでいる林業科学科。ICT技術についても学べるなど、最先端の学びが揃っていることが紹介されていました!
町から教科書代の補助が出たり、町の人の支えによって寮が設置されていたりと、非常に町と密着した学校である矢部高校。
そんな矢部高校で高校生活を送ってみたい!と思った方は是非矢部高校の個別説明会に参加してみてください!
学校紹介④『大分県久住高原で「農業留学」』_久住高原農業高校(大分県)
久住高原農業高校が位置するのは、熊本県の阿蘇と宮崎県の高千穂と隣接するところ。久住高原は標高が約600mと、準高冷地。土地を生かした高冷地野菜の栽培と畜産業が盛んな地域だそうです。
そんな久住高原農業高校からは、校長先生が学校の説明をしてくださいました!
一学年が40名という少人数であるため、目指している進路などもバラバラだそう。そうした状況に合わせて、1年生の時から英数国では習熟度別の授業が行われていることが特徴の一つです!
2年生からはプロジェクトコースと経営実践コースに分かれて、より少人数での授業になっていきます。
将来どのような進路を目指すかによってコースを選び、その将来から逆算する形で必要な力を身につける形になっています。
また、同じく2年生から4つの類型に分かれて学ぶようになるとのことでした。野菜・畜産・作物・草花という4つの類型から自分の学びたいものを選んで、先ほど説明したコースと掛けわせる形でクラスが決まります。より少人数での学びになっていきます!
また、久住高原農業高校の野菜は世界標準に基づいているそう。九州の高校で初めて「ASIAN GAP認証」を取得したとのことでした!(安心安全の農作物を作るために、品質だけではなく、生産工程も管理をし、それを第三者が評価できるようにした仕組みを指すそうです。)
そうした質の高い農業について学べる環境があることは、とても素敵な環境であると考えられます。
特色のある授業として、「チャレンジMy農場」が設けられているそう。一年時から取り組みが始まり、栽培計画から農場作り、栽培、加工販売まで一貫して経験を積むことができます。
また、国の「マイスター・ハイスクール」事業によって、地域の企業と共にスマート農業に取り組んでもいるそうです。そうした取り組みを通して、これからの社会が求める人材育成に力を入れています。
資格取得がしやすい環境が整っていたり、農業関係のクラブ活動があったりと、放課後まで農業を学べる環境がとっても魅力的でした!
令和になってから新設された寮も近くにあるため、気になる方はぜひ体験入学や学校説明会に参加してみてください!
Q&Aセッション
※時間や質問の都合上全ての高校が答えていないものもあります。
Q. 道の駅などで、生産した商品を販売することもあると思いますが、「これがうちの推しだ!」「地域の人から人気がある!といったものがあれば教えてください。
Q. 地域みらい留学生など県外生がいれば、そうした生徒の変化を教えてください。まだそうした生徒がいなければ、入学後に「こういった学びを一緒にできたらいいな〜」ということを教えていただきたいです。
おわりに
「特徴ある学科(農業)」をテーマに、4つの学校がお話してくださいました。それぞれの学校に地域に根ざした特徴があったり、同じ農業でも学べる環境が異なっていたりと、一校一校の魅力が感じられる合同学校説明会でした。足を運んでみると、また違った印象を受けるかもしれません。ぜひ学校説明会や体験イベントへの参加を検討していただければと思います!
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