地域みらい留学365「留学先在校生トークセッション ~走り出したら見えるもの~」開催レポート
9月12日(土)に地域みらい留学フェスタ第3弾が開催されました。本記事では、「留学先在校生トークセッション ~走り出したら見えるもの~」のイベントレポートをお届けします。
「実際、留学先ではどんな人たちと過ごせるの?」
「地域に留学したいけど、どの学校がいいのか迷っている…」
そんな方向けに、地域で活躍する各学校の在校生・卒業生が学校での日常や、入学してからの変化など、自分の言葉で話してくれました。一人ひとり違う地域での経験談を聴くことで、「自分はここでこんなふうに過ごしたい!」「留学したらこんな自分になれるかも?」というのが見えてくるかもしれません。
本イベントレポートでは、5校のトークセッションをご紹介します!
北海道幌加内 (ほろかない) 高等学校 卒業生
北海道斜里 (しゃり) 高等学校 3年生
北海道鵡川 (むかわ) 高等学校 3年生
三重県立昴 (すばる) 学園高等学校 3年生
島根県立津和野 (つわの) 高等学校 2年生
各学校の在校生・卒業生が、高校生活に関する4つの質問に答えてくれました。実際に留学先の学校・地域で学ぶ在校生や卒業生の話から、留学を具体的にイメージして「なりたい自分」を考えてみていただけたら嬉しいです!
まず最初に...「自分の高校を一言で表すと?」
北海道幌加内高等学校
「他の高校ではできないような体験ができる、特別な高校。」
北海道斜里高等学校
「世界自然遺産に登録された北海道知床にある学校。」
北海道鵡川高等学校
「先生と生徒の距離が近い学校。」
三重県立昴学園高等学校
「みんなで一緒に成長していける学校。」
島根県立津和野高等学校
「寄り添う姿勢が魅力的な学校。」
質問① どんな中学生でしたか?どうしてこの高校を選びましたか?
北海道幌加内高等学校
中学生のときはおとなしくて、あんまり人と会話することもなく、ただ部活に没頭してただけの中学生でした。高校を選んだ理由は、兄が幌加内高校に通っていて、農業やそば打ちなどが体験できるとても楽しい高校生活だと聞いたからです。幌加内高校は地域の人と関わることができる「商店会」や「そば祭り」という大きなイベントだったり、そば打ちの体験など、他の高校ではできないような体験ができる、特別な高校です。
北海道斜里高等学校
小・中とバスケを続けていたので、中学生の頃はずっとバスケをしていました。斜里高校は総合学科なので、好きな授業が選べることに魅力を感じて進学を決めました。今は授業でアプリをつくっています。自分たちでアイデアを出して、斜里高校がある知床に関連のあるアプリ開発をしています。アプリ開発などは、もともと関心がったわけではありませんでしたが、高校に入ってから授業でそういった活動をするようになって、興味をもちました。
北海道鵡川高等学校
鵡川高校で「むかわ学」という授業があります。むかわ学では、むかわ町について班のメンバーと一緒に調べて、発表をします。そういった鵡川高校の取り組みについて知って、自分もやってみたいと思い、鵡川高校への進学を決めました。中学生のときは、積極的に生徒会の活動に参加したり、委員長になることはあまりありませんでしたが、高校生になってから、生徒会に所属したり、部活の部長になったりと積極的に活動をするようになりました。人前で話したり、司会をするといったことが多くなり、野球部の地元のグラウンドで行う試合のウグイス嬢をさせていただいくなど、高校に入ってから積極的になれたと思います。
三重県立昴学園高等学校
今皆さんの前で話しているのが不思議なくらいあまり喋らない人でした。どうしてこの学校を選んだかというと、なかなかしゃべれない自分を変えたいと思ったからです。昴学園高校は私の出身の津市だけではなくて、他の地域からも入学してくるので、新しい環境で新しい友だちができるすごく良い機会だと思いました。また、地元の子たちも進学しないということで、1からのスタートを切れると思って昴学園高校に決めました。寮生活の不安もありましたが、そこを越えるくらいになったらいいなと思ってこの学校に進学しました。
島根県立津和野高等学校
中学生時代を一言で表すと問題児だったと思います。今、町営塾から(オンラインで)このイベントに参加しています。高校生だけでなく、中学生も町営塾の授業を受けることができるので、私も中学生のときに町営塾の授業をとっていましたが、授業には全然行かない問題児でした。高校は、カリキュラムや、学力レベルなどで進学を決めたのではなく、地元だからという理由で選びました。
質問② 今一番力を入れていることや、これまでで一番頑張ったことは何ですか?
北海道幌加内高等学校
幌加内高校では9割くらいの学生が寮生活をしています。(2019年度は在校生全員が寮生活をしている。) 高校3年生のときに、学生寮の寮長を務めました。寮ではイベントも多く、イベントの企画を自分たちで1から考えていました。自分たちで作ったものなので、思い入れも強く、高校生活の思い出です。
北海道斜里高等学校
地域みらい留学のための、学校PR動画の作成に力を入れていました。今は観光甲子園に向けて動画撮影をするための素材集めなどをしています。所属している観光のグループのうち、動画の編集出来るメンバー2人で協力して動画を作成しています。また、学校外の活動としては、焼き肉屋のアルバイトをしています。人と接することが好きなので、すごく楽しいです。 アルバイトでは、お客さんとの関係を大切にしています。
北海道鵡川高等学校
鵡川学の授業では、3年生からは観光、福祉、農業など、自分が興味がある分野を選び、同じ分野に興味がある生徒で班を組んで学習をしています。6~7月くらいに先生、1・2年生の前で今まで調べてきたことの発表があります。その後、12月にはむかわ町にあるホールで、今まで1年間調べてきたことを発表する機会があります。私は今3年生なので進路活動もしながら、むかわ町について調べています。私たちの班は、観光をテーマに、どうしたら移住者が増えるか、どうやったら観光で訪れてくれる人が増えるかについて、班のメンバーで協力して考えています。これからの班の活動として、観光組合のお話を聞きに行きたいと思っています。また、四季の館という、むかわ町の道の駅も見学に行けたらいいなと思っています。
三重県立昴学園高等学校
2年生の頃から系列が分かれていて、私は国際交流系列に入っています。国際交流系列では、「まちかつ」という活動があります。まちかつではは、地域の問題について、どのように取り組んでいくかというお題を出され、昴学園の学生たちでグループをつくって、課題解決の方法を考え、パワーポイントにまとめて発表する場があります。昴学園高校は、誰か1人だけが成長する学校ではなくて、みんなで一緒に成長していける学校だと思います。自分1人だけではなくて、みんなで話して高めあっていくことができるのが、昴学園高校の魅力だと思います。
島根県立津和野高等学校
自主活動としてマイプロジェクト(以下、マイプロ)があります。私はマイプロで、オンラインの起業家育成プログラムに参加していて、そのプログラムでの課題や授業に力を入れています。また、マイプロと一緒に、勉強を頑張ろうと思っているので、マイプロと勉強の両立を頑張っています。起業家育成プログラムはZOOMで行っていて、毎週色んなメンターの方が授業に来てくだいます。授業の中でみんなでディスカッションをしたり、課題では誰か1人を幸せにするというActionを起こして、そのActionを何週間かかけてやった後、プレゼンをして活動の内容をアカデミー内でシェアしあったりしています。今後はクラウドファンディングで自分たちで資金を調達して、マイプロを実践していくという形になっていきます。
もともと経済や経営に興味があったわけではありません。高校1年生のときに進路ガイダンスがきっかけで、経済や経営に興味をもりました。それから、色んなマイプロに取り組んでみましたが、なかなか上手く行きませんでした。プロジェクトが上手く進まず悩んでいるときに、コーディネーターの方や、町営塾の方から起業家育成プログラムを紹介していただき、無事合格してプログラムに参加しています。
マイプロとして以前取り組んでいたのは、フェルト絵本をつくって地域の保育園に寄付するというプロジェクトでした。生徒5人くらいのチームで、私はマネジメントを担当していましたが、なかなかみんなで集まる機会がもてなかったり、連絡が取りづらいため、チームのみんながどんなことに困っているのかが分からなかったり、なかなかプロジェクトが進まなくなってしまいました。大変で、どうしても乗り越えられないと思ったので、プロジェクトを進めることは諦め、まずは経営について学ぼうという思いから今のアカデミーに参加することにしました。
質問③ 高校生活で大変なことはありましたか? どう乗り越えましたか?
北海道幌加内高等学校
寮長をしているとき、イベントの企画など話し合いの場になると、色んな意見が出てくるので意見をまとめるのが難しかったです。寮長になって意見が違うときも、それぞれの意見をきいてまとめるということを経験することで成長することができました。一人一人の声をちゃんと聞かないと分からないので、みんなと関わるようになりました。幌加内高校は少人数の学校なので、全員の声を聞くことができるというのが、みんなで活動をする際に力になっていると思います。今だと全校生徒が40人くらいなので、学年問わず全員と話すことができます。色んな人と話して色々な考えがあるということを知ることができました。
北海道斜里高等学校
学校で観光用の動画を作成しているとき、動画の下に英語の字幕を入れるのが1番大変でした。英語の字幕を入れることになったのは、校長先生から英語の字幕を入れたらいいのではないかというアドバイスがあったからです。字幕を入れるのは大変な作業でしたが、英語の字幕もあったら、外国の方々も見られて良いと思ったので頑張りました。
北海道鵡川高等学校
むかわ学の授業で、私の班は観光をテーマに5人で活動しています。班の中でメンバーの考えが違うときに調整したり、パワポをつくる人、企業にお話を聞きにいく人、情報を集める人といったように役割分担をするのが大変です。また、6~7月の活動発表に向けて、前日にリハーサルをした際に、前日に担当の先生に内容を変えたほうがいいと言われて、パワポをつくり直したり、司会の原稿を変えたりしたのが大変でした。班のメンバーで意見が分かれたときは、話し合ったり、先生に相談しに行ったり、インターネットで色々調べて情報に基づいて、どうしたほうがいいかを話し合って決めました。また、私は2年生の春に苫小牧市に引っ越したので、今は電車で通学しています。だいぶ慣れましたが、電車通学になってから朝早く起きなくてはいけなくなったので最初の頃は大変でした。環境の変化になれるまでは苦労もありましたが、小牧に引っ越してて見えてきた鵡川町の良さもありました。例えば、朝、鵡川町の駅に降りて、駅の方に「おはようございます」と声をかけると、挨拶と一緒に行ってらっしゃいって声をかけてくれます。むかわ町の人はあたたかくて優しい人が多いのだと気づきました。
三重県立昴学園高等学校
寮生活で、掃除や洗濯、基本的なことを自分で行うことも大変でしたが、私は勉強面での不安が大きかったです。私が選択した国際交流系列は座学が多くて、つまづいたと思ったこともありましたが、少人数の学校なので、困っていたら、すぐに担任の先生や授業の先生が「どうしたん?」と声をかけて助けてくれたので、安心して勉強することができました。寮でもみんなで集まって勉強会をしようという話になって、お互い教え合うことができたので、不安がどんどんなくなりました。地域の人、学校の先生にも、寮に住んでいる子たちにも支えられて今の自分があると思います。すごく人に恵まれたと実感しています。
島根県立津和野高等学校
勉強とマイプロの両立が大変でした。以前は、①勉強、②部活、③マイプロ、それから自分でお弁当をつくっているので ④家事と4つやることがあり、4つを続けていくのは無理だと思いました。全部が中途半端になってしまうと思ったので、7月に部活を辞めて、今は勉強7割、マイプロ3割という感じで時間を使っています。家事はどうにかなるでしょうということでスキマ時間を工夫して使いながらこなしています。諦めることも大事だと思い、部活を辞めました。何かを選んでいくことは大切なことだと思っています。以前はグローカルラボという、地域活動系部活に所属してたのですが、人間関係などで悩むことが多く、自分が魅力を感じられなくなったので、取捨選択をする上で、一緒に活動していた仲間には申し訳ないですが、自分が本当にやりたいと思ってることを優先するために部活を辞めました。今は放課後10時くらいまで町営塾にこもって勉強をしています。勉強に力を入れてから、模試で偏差値が10くらい上がりました。大学に進学することについて親は反対意見でしたが、動かないと始まらないと思って、とりあえず始めたら、コーディネーターさんや先生も協力してくれて、親も「がんばりんさいよ」と言ってくれるようになりました。応援してくれるなら、大きい大学に行きたいと思って頑張っています。
質問④ 自分が高校に入ってから、変わったと思うことは何ですか?
北海道幌加内高等学校
幌加内高校ではそば打ちがあり、高校ではそば打ち段位の3段までとることができます。段位をとってそばの道に行く人もいますが、そばの道に行かないとしても、高校生でまだ将来自分がどういう風に自分がなるのか分からないときに、そば打ちという他にはないようなスキルを身につけることができたのでとても良かったです。唯一無二のスキルが手に入れられますし、段位をとることは自信にもつながります。また、高校3年生のときに寮長になって、多くの人と関わったり、イベントを企画したりすることで、リーダーシップが育ちました。今は体育教員になることを目指して大学で勉強しています。将来教員になったら、生徒に体育を好きになってもらえるような授業がしたいです。また、生徒が人として成長していけるように支えることができる教員になりたいです。
北海道斜里高等学校
学校生活のことではないのですが、高校生になってアルバイトを始めたことが自分にとって大きな変化でした。人と接することが1番好きなので、アルバイトを始めて接客などをするようになってから、成長したと思います。また、観光の授業では、講師の方に接客などのマナーを教わる時間があります。ベッドメイキングなどを習う機会もあり、学校での授業の内容がアルバイト先での接客でも活きている部分があると感じています。
北海道鵡川高等学校
中学生のときと比べて人前に立って話したり、司会をしたりすることが増えて、行事があるときは自分から立候補して発表者になったりと、前よりも積極的になれたと思います。鵡川中学・高校は中高一貫で、町外からの受験と、鵡川中からの受験の形式が異なります。町外の中学からの受験は面接と筆記試験がですが、私は鵡川中学からの進学だったので、面接と中高一貫活動の行事のプレゼンが受験内容でした。プレゼンで行事の内容を自分でパワポにまとめて3人の高校の先生の前で発表をしたときに、先生方にとても褒めていただきました。それがすごく自信になって、積極的に人前で話すようになってから、高校で司会を任せてもらえたりするようになりました。
三重県立昴学園高等学校
高校に入ってすごく変わったと思います。話すことも積極的にできるようになりました。先程、寮生活があると話をしましたが、私は今、寮長としてみんなの前に立って点呼を行ったり、寮で行われるパーティーを企画したりしています。3年間で変わったかと聞かれたら、間違いなく変わったと自信をもって言えます。自分が変化できたのには、友達の存在がすごく大きかったと思います。入学初日から寮生活が始まるので、同じ階の子とおしゃべりして、「不安よな、不安よな」というのをお互いさらけ出しあいながら一緒にお風呂に入ったりしました。少し慣れてきてからは、ボランティアも始めてみました。ボランティア活動では、小学生向けのツアーのお手伝いをさせていただいたのですが、そこではじめて年下の小学生の相手をする経験をしました。地元以外の小学生とおシャベりするのが、すごく刺激になっりました。学年が違う、年も結構離れている小学生とはコミュニケーションの取り方も違い、そこで学ぶことが多くありました。地域の大人たちと話す機会も多く、コミュニケーションの向上につながりました。地域と関わることで、高校生活だけに関わらず、話の話題の輪が広がったのが成長したところだと思います。
島根県立津和野高等学校
最初にも話しましたが、中学生のときは本当に問題児で、最後のほうは保健室登校でした。そんな私も高校に入って、津和野高校のカリキュラムの中で学び、体験し、部活で色んな町の人と関わる中で主体的に行動できるようになりました。今取り組んでいるマイプロも、みんなと同じことをやってるわけではないので、自分でしっかり考えて行動する必要があります。自分の意見をしっかりもって、コーディネーターさんとかと相談して前に進んでいくことが大切になっていくので、積極的に取り組み姿勢が養われたと思います。自分の性格的に、物事を始めるときにデメリット・メリットを考えて、行動を起こすことに慎重になる面もありますが、以前と比べて行動的になったと思います。
最後に一言お願いします。
北海道幌加内高等学校
幌加内高校では、他の学校では体験できないような貴重なそば打ちができます。田舎ですが、田舎ならではの一つの大きな家族みたいな感じなので、不安なことがあっても色んな人にすぐ話しかけられるし、助けてもらえます。幌加内高校に来て色んな体験をしていただけたらなと思います。
北海道斜里高等学校
2004年からは総合学科となり、現在は104名の生徒が楽しく学んでいます。斜里高校では、知床PR活動、土壌生物や川の生物調査、そば作り体験、魚釣り、バードゴルフなど様々な体験ができます。自分と出会い成長を実感できる学校です。ぜひ、斜里高校へ来てください。
北海道鵡川高等学校
鵡川高校は先生と生徒の距離が近い学校で、生徒数があまり多くないですが、その分先生が1人1人に対して、親身になって進路など色々な相談にのってくださいます。先生との距離が近いからこそ、礼儀もしっかりしています。面白い先生も多いので、楽しいし、先生に相談にのってもらうことで自分が成長できる機会が多くある学校だと思います。ぜひ、鵡川高校に来てください。
三重県立昴学園高等学校
このイベントに参加していること自体すごいことだと思っているので、参加していることに誇りをもってほしいです。よかったら昴にきて、修学旅行みたいな毎日を過ごしてもらいたいなと思います。とても楽しいし、私も色んな人に支えられて変わってきたというのもあるので、本当に来てほしいです。皆さんが昴に入学するとき、私はその時は卒業してますが、後輩の子たちが絶対支えてくれると思って信じていますので、よかったら昴学園高校に来てください。同じ学年の子たちと繋がれる機会が多いので、一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、その後に一緒にゲームなんかしたりして、たまには勉強もしっかりして毎日毎日楽しく過ごすことが出来る高校だと思うので本当におすすめしたいです。
島根県立津和野高等学校
津和野高校は寄り添う姿勢がすごくある高校なので、自分がやろうと思ったらいくらでも変われる学校だと思います。私自身も身を持って体験しましたし、同級生でも色々活動をしている人もいます。津和野高校はそういう環境が整っているので、どういう方面でも躍進していけると思います。でも、その一方で変わる気がないと本当に変われないと思います。でも、学校に来て変わる気があればどんどん成長できると思います。ぜひ来てください。
※ 本記事は、2020年9月12日の「留学先在校生トークセッション ~走り出したら見えるもの~」のイベントレポートです。
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