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【高2留学】いやだ、帰らない、ここを乗り越える|前編|地域みらい留学365

高校2年生の1年間を、在籍校とは別の地域の公立高校で過ごすという、日本初の国内単年留学である「地域みらい留学365」。
現在、この制度を使って、大阪府から山形県立小国高等学校に、に留学している二宮緋毬さんにお話を聞いてみました。彼女は中学3年生の頃、「地域みらい留学」を知り、3年間の地域進学を考えていたそうです。当時は親の反対や、中学にあまり通えていなかったことから内申点が芳しくなく、断念したそうです。そんな緋毬さんは、どんな思いで高2留学に挑戦したのでしょうか。2回に分けてご紹介します。まず第1弾をどうぞ。第2弾はコチラ

ある意味贅沢な小国の暮らし


―こんばんは、普段は何て呼ばれているの?

緋毬さん 小国では下の名前で呼ばれることが多いですね!小さい町で、同じ苗字の人も多くて、自然と下の名前呼びになってますね~。“ひま”とか“ひまり”とか。

―そうなんや!趣味とかはあるの?

緋毬さん 外に出ること、音楽を聴きながら散歩したりとか!こっち来てからテレビも一切見なくなったんですよね。アマプラでハウスメイトの子と、チェーンソーマン見たりするくらい(笑)

―いいね~。小国あるあるとかはあるの?

緋毬さん 基本的にみんな車通学!!!電車やバスもないので、みんな送り迎えは家族の人がしてくれている。ちょっと先まで歩こうと言うと、「無理無理」って(笑)徒歩20分くらいも歩かないんですよ。大阪では考えられなかったですね~。ある意味、贅沢な暮らしをしてるなって思いますよ(笑)

―贅沢(笑)面白い(笑)お祭りや地域のイベントとかはどう?

緋毬さん 今、コロナでなくなってしまっているんですけど、「熊祭り」という、熊肉の鍋を神社で出して、みんなで食べるお祭りがあったりしますね。

―へえ~、すごい。

緋毬さん あとは移住者の方が中心になった「つむぐ」というコミュニティがあって、今は60人ぐらいの規模になっているんですね。そのコミュニティのみんなが、特技なんかを持ち寄った「つむぐマルシェ」というのをショッピングセンターの駐車場を借りて行っていたり、ピクニックしたり、芋煮会やったり(笑)

―ああ!芋煮会!よく聞くよね。やっぱりやるんだね~。そういえば、なんか冬は寒そうだけど、留学するときになにか持って行った方がいいものとかある?

緋毬さん ああ~…。やっぱり寒いので、電気毛布は持参した方がいいかも(笑)あと、枕!いま下宿なんですけど、そこの枕が自分に合わなくて、なかなか寝付けなくて、枕送ってもらいました!

―寝れないと困るね(笑)

不安でも親の反対を押し切った留学への意思決定

―そもそもなんで「地域みらい留学365」で1年間の留学をしようと思ったの?

緋毬さん もともと中学3年生の時に「地域みらい留学」を知って、その時は大崎海星に行きたいと思っていたんです。でも、親の反対があったり、中学にあまり行けてなかったということも響き、断念したんですよね。大阪の私立に行こうって。

―うんうん

緋毬さん でも、高校に入ってからも、高校生活を地域で過ごすという思いが忘れられなくって、色々自分で調べていたら、「地域みらい留学365」を見つけたんです!高2で1年間留学できるやんって気が付いて!

―そこから色んな学校がある中でなんで小国にしたの?

緋毬さん 留学行くからには、学校と家の往復だけでは嫌だなって思っていて、いろんなとことをやってみたいし、いろんな人と会ってみたいと思ったんですね。そうした考えに、小国がマッチしたという感じですかね~。

―いいねいいね。でも親御さんの反対はもう大丈夫だったの?

緋毬さん 押し切りましたね。いや~、頑張りました(笑)プレゼンしたり、教育委員会・コーディネーター・高校の先生とか4者面談もしてもらったり、わかってもらえるように粘りました(笑)

―すごいね(笑)親御さんの反対も押し切って、さあ行くぞって時に不安はなかったの?

緋毬さん 不安だらけでしたね。本当に知らない土地で、知り合いもいなくて、ハウスメイトとうまくやっていけるかなとか、大家さんと仲良くなれるかなとか、誰に頼っていいのかもわからないままのスタートで、全部不安でした(笑)

―そんな不安な中、スタートしてみて、今その時の自分を客観的に見てどう?

緋毬さん う~ん…。不安なりにもよく頑張っていたんじゃないかなって思います。親にも電話しないようにしてたんです。自分で頑張りたいって言って反対も押し切ってきたのに、声を聞いたら「帰りたい」って思っちゃいそうで。外に出てみたら、知らない人だらけなわけですよ。どうしたらいいかわからないなりにも、でも周囲に気を遣ったりして頑張ってたなって客観的に思います(笑)

―知らない人だらけな状況で苦しさもあったと思うけど、どう乗り越えたの?

緋毬さん 5~6月くらいが一番悩んでいて、コーディネーターや教育委員会の人に相談したんです。「今の状況を変えたいし、何とかしたいから、何とかするために手伝ってくれ」って時間をとってもらったんです。そしたらすぐに場所を作ってくれたんです。自分から自分のことを考えてもらう場所と時間を作ったんです。

―なるほどね

緋毬さん 大人の皆さんもそれぞれに仕事があって、こちらからアクションをしないとわからないことも多いと思うんですよ。どうしようもないからこそ「この1時間だけは私に時間をください」って。アドバイスをいろいろしてもらいました。

―うんうん

緋毬さん その時は答えは出なかったけど、その話を聞いたうえで、親に連絡してみたんです。「実はいま悩んでるんだ」って。その時はもう号泣しましたね。「早く帰ってきたら」と言われたけど、でも休日の活動で楽しさも知っていたんです。だからこそ、「いやだ、帰らない、ここを乗り越える」って答えられたんです。

―そうして乗り越えてきたんだね!でもこう外側から見ると楽しそうにみえるよ。

緋毬さん いや~、もう今はすごい楽しいですね(笑)

―いいね~(笑)じゃあ次回はもう少し留学生活の充実ぶりを深堀りさせてもらおうかな!




<前編・編集後記>
インタビュー中、終始笑顔を見せながら話してくれる緋毬さん。そんな中、端々に不安だった数か月前のことがよぎるのか、うつむき考えながら、それでもしっかり言葉を選んでお話してくれました。号泣した経験がありながら「今はすごい楽しい」とキッパリ笑顔で言い切った彼女の留学生活を、次回もう少し深く聞いてみたいと思います。(取材:地域・教育魅力化プラットフォーム 及川真央 / 編集:地域・教育魅力化プラットフォーム 小谷祐介)

<継続募集情報>

今年度募集においては、継続募集を実施中の学校もあります。現高校1年生(来年2年生)で少しでも気になった方は、是非このチャンスに一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

<高2留学 経験者が語る アーカイブ>

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