【高2留学】未知との出会いをポジティブに捉えられるようになった|地域みらい留学365
高校2年生の1年間を、国内の別の高校に留学する「地域みらい留学365」。今回は地域みらい留学365の1期生で、現在大学1年生になった鬼塚明樹さん(以下、鬼塚さん)にお話を伺いました。
高校1年生当時、全寮制の中高一貫校に通われていましたが、同じメンバーで一緒に生活する中で、考え方さえも似てきていることに気が付いたときに、違う環境に身を置いてみたいと思い留学を決意したと言います。そんな鬼塚さんが、大学生になった今、どんなことを語ってくれるのでしょうか。
▶地域みらい留学365を振り返って
—改めて留学生活を振り返ってみて、どんなことを大事にした1年間だったと感じますか。
縛られないということを大事にしていたと思いますね。もともと、ひとつのことに目がいってしまうと、そこにしか目がいかなくなってしまうタイプでした。でも、せっかく留学に来たので、ひとつのことに縛られずに、自分ができる経験は逃さず、色んな事に取り組んでいきたいと意識した留学だったと思います。20kgのバックパックを担いで、道東約500kmの自転車一人旅にも挑戦してみましたね。この旅をしたことで、人のサポートを借りずに自分一人でトライする力が身についたと思います。
—色んな経験をした中で、この留学が鬼塚さんの進路やキャリア観に与えた影響はどのようなものだったでしょうか。
小さい頃から、観光業に強い憧れを持っていました。そんな中で北海道斜里町・斜里高校に1年間の留学をしたことで、自分の憧れる観光業に対して、鮮明にイメージを持てるようになったと感じています。斜里町は世界遺産の知床というフィールドが目の前に広がっていて、観光業も盛んな町です。そうした場所に身を置くことで、これまでの生活の中では具体的なイメージが持てず漠然としていた「憧れの観光業」に対して、より具体的なビジョンを描けるようになったのだと思います。
▶在籍校に戻ってからの進路に向けて
—そうした将来ビジョンを持てるようになった中、留学後の勉強面はどのような感じだったのでしょうか。
正直なところ、留学後、学力の低下があり、苦労したことは事実としてあります。留学中は、地域での活動や友人と遊ぶことに夢中になり、ほぼ勉強をせずに日々を過ごしていました。最終的には、志望していた現在の大学に一般受検で合格することはできましたが、留学から戻ってからはひたすら勉強に明け暮れたことを思い出しますね。勉強時間をとにかく確保することでこれまでのブランクをカバーした形です。
—勉強時間をそれだけ確保するには、モチベーション維持も大変だと感じますが、何か要因はあったのでしょうか?
周囲への反骨心が強かったかもしれません。「そんなので大学いけるのか」と言われることもありました。今でこそ、周囲の人たちが私のことを思って、声をかけてくれていたのだと思えます。しかし当時は、その言葉が悔しくて、ここで自分が頑張って大学に入らないと、留学していた1年間を否定されている気がしてしまって、見返したいという思いが強かったように思います。自分にとって、地域みらい留学365での1年間が本当に重要な1年間だったので、そうした力が湧いてきました。
▶留学で得た財産
—地域みらい留学365や大学受験を経て、今大学生になられました。この数年で自分に起きた変化は感じますか?
新しいものをもっともっと知りたくなりましたね。留学するまで北海道に行ったこともありませんでした。見たことないもの、経験したことがないことに当初は恐怖心があったと思います。でも、色んな新しい経験をする中で、未知のものと出会う恐怖心というものが薄れていった気がします。在籍校に帰った後や大学に入った後でも、未知のものとの出会いをポジティブに捉えられるようになった自分がいて、この変化が留学を経た自分にとっての大きな財産なのではないかと感じています。
—最後に、新しいコミュニティや新しい人間関係の中でコミュニケーションをはかることで、自身に成長がどのようにあったか聞かせてください。
元々、あまり前に出るタイプではなく、自分から積極的に人に話しかけに行くということには疲れてしまうこともあるのですが、その中でも人との距離感を推し量って、自分と相手にとって心地の良いコミュニケーションをとれるようになったと思っています。知らない人しかいないという環境の中で、自分の居場所をつくっていくという経験が今に活きていると感じていますね。