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【対談】トビタテ!留学JAPAN留学生 × 地域みらい留学生 〜“越境”で育まれる力の正体〜

本記事は、2021年5月23日(日)開催のオンラインイベント『トビタテ!留学JAPAN船橋力さんと考える 未来を生き抜くためのチカラ』に繋がる事前対談です。当日は船橋力さんと「地域みらい留学」の代表理事を務める水谷智之が同テーマおよび、コロナ禍での留学について掘り下げていきます。

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本イベントにご関心のある方は、ぜひコチラからお申し込みください。(参加無料です)

昨年、海外・国内それぞれの留学先で新型コロナウィルスのパンデミックに直面しながらも、探究したい分野についての学びを深めていったふたりの留学生に『越境体験をすることで得られること』をテーマに語っていただきました。(ふたりはこの対談が初対面です)
今後 留学を検討されている方はもちろん、コロナ禍での留学について不安に思われている方々にもぜひお読みいただきたい内容になっています。

ともに2002年生まれで現在19歳の小宮さん・池本さんのまっすぐなメッセージを、ぜひご一読ください。

元 トビタテ!留学JAPAN留学生 小宮南泉さん

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小宮 南泉(こみや みなみ)
2002年 埼玉県生まれ
2017年12月:中学3年生でカンボジア孤児院ボランティアに参加し、その後トビタテ!留学JAPANに応募
2018年7-8月:高校1年生でトビタテ!留学JAPANの国際ボランティア枠でフィジーとタンザニアへ5週間の教育ボランティアとして活動
2019年3月:(奨学金選考を経て)United World Collegeに出願→4月に合格
2019年7月:留学のため 埼玉の高校(中高一貫校)を退学
2019年8月:United World College AC(イギリス校)に入学
2021年5月:United World College AC(イギリス校)を卒業予定

元 地域みらい留学生 池本次朗くん

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池本 次朗(いけもと じろう)
2002年 埼玉県生まれ
2018年3月:地元の中学校を卒業
2018年4月:島根県立津和野高等学校に入学
2021年3月:島根県立津和野高等学校を卒業  
      卒業式では卒業生代表として答辞を読み上げる
2021年4月:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)に入学

偏差値だけで高校を選ぶことに疑問を持っていた

———地域みらい留学で津和野高校に留学を決めた理由と経緯を教えてください。
池本くん:
中学生の頃は、地元の学校に通っていました。勉強して部活して、たまに遊んで というような、ごく普通の中学生でした。進路を考えはじめた時に、偏差値輪切り型の進路選択(高校進学)に対してモヤモヤした思いがありました。もっと学校ごとの特色や、そこで学べる内容をもとに進路を検討したかったんです。
もともと本を読むのが好きで、中学2年生の時に父親の本棚に並んでいた『里山資本主義』という本を読み、日本の“田舎”と呼ばれる地域のことを初めて知ったんです。地方の人口がどんどん減っていって、経済的に立ち行かなくなっていく現実と、その状況を打破するために行動を起こしている人たちのことが書かれてありました。それが自分にとってはすごく新鮮で。これまで家と塾と学校の3つの場所だけだった自分の視野が、別の方向に広がった気がして。地域や地方のことに興味を持ち始めたのはこれがキッカケです。

それから少し経った時、父親が偶然 地域みらい留学を見つけてきて紹介してくれました。そこからインターネットで調べたり、説明会に参加して様々な学校の方と話していくうちに、面白そうだなぁと思うようになりました。偏差値だけで高校を選ぶことに疑問を持っていたので、とてもしっくりきたことを覚えています。

当時の津和野高校は、まだ地域みらい留学参画校としての実績も浅く、これからいろんなことを仕掛けていくような空気がありました。説明会では「キミの力が必要なんだ」と直接言ってくださったりして素直に嬉しかったんです(笑) 良い意味で整備されていないスタートアップ企業に入るような期待感を感じて「ここに入学しよう」と決めました。

小宮さん:知らない土地へ自分で決断して「行こう」と思えた理由ってありますか?小さい頃から好奇心が強かったとか。

池本くん:小さい頃から家族で旅行に行ったり、父親の出張に付いて行かされたりしていた経験があって、知らない街や場所に行くことにワクワクする性格でした。

小宮さん:でもずっと埼玉の地元に居て、まわり友達とか知ってる場所から、全然知らない場所に行くことに関して不安はなかったんですか?

池本くん:実は友達がいっぱい居たタイプではなくて(笑)  中学校の時は、あんまりクラスに馴染めてなくて、不登校とかではなかったけどずっと違和感を抱えたまま過ごしていたんです。なので当時は埼玉を離れることに抵抗はなかったんです。ある意味の反骨精神もあったので(笑) 埼玉にあまり未練はなかったんです。住む場所が一気に変わることについてワクワク感の方が断然強かったです!

小宮さん:なるほどー!ありがとうございます!

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↑小宮さんにも伝わるように丁寧に話してくれる池本くん

フィジーの幸福度が日本よりも高いのは何故だろう

———トビタテ!留学JAPANおよびUWCへの留学を決めた理由と経緯を教えてください。

略歴
カンボジア孤児院ボランティア → トビタテ!留学JAPANでフィジー&タンザニア → United World College AC イギリス校
※それぞれの留学先での経験が次の留学の理由に繋がっているため、体験談も交えた説明をしてくださいました。

小宮さん:池本くんと同じで私も小さい頃から本を読むのが好きでした。小学生の頃にマザー・テレサの本を読んだり。小学校から中学校まで自由な学びができる環境がありました。そのおかげで、いつも明るく自分のやりたいことに臆せず行動するような子だったと思います。

中学生の時の英語塾の先生がボツワナから来ていた女性だったんですが、その先生から 友達が貧困で学校に行けなかったという話や、女の子という理由で教育を受けられない子もたくさん居たという話を聞きました。その時に「あぁそういう世界もあるのか。自分は普通に学校に通っているけど、これが当たり前じゃない人たちも居るんだな」と感じたんです。それ以降、海外のニュースや社会問題に興味を持って少し調べたりするようになりました。

それと、私のお母さんが青森県出身なんですけど、お母さんが学生の頃の青森は高校の選択肢も限られていたり、塾とかもなかったそうです。
もっと都会で過ごしていたらいろんな機会や経験ができたのではという考えがあって、首都圏で子育てをすることを決めたという話をお母さんから聞いていました。このことから、生まれた場所や地域によって すでに差があることを知り、それについて考えたりするようになりました。

中学3年生の時にとにかく外の世界を見てみたいと思い、カンボジアへ1週間のスタディツアー(ボランティア)に行ってみることにしました。それがその後に続く留学の最初のキッカケでした。
実際に現地に行くと、本やインターネットで見ていた情報とは比較にならないほど多くのことを感じました。貧困層の子どもや女の人の話を聞いていくうちに「自分に出来ることがあったらやりたい」「もっとこの状況を良くするために動けるようになりたい」と思うようになってきました。

そこで気付いたのは、貧困が貧困を生むという「貧困の連鎖」です。これを解決するには「教育」の力が重要であると感じ、「教育で貧困問題を解決する」ということが以降の自分の探究活動のテーマになりました。

帰国後、学校の先生の計らいで、自分の体験を学校内で発表する機会をいただきました。発表前は「推薦を狙ってる」とか「良い子ぶってる」などと思われるんじゃないかと不安でした。でも発表後の友達や先生の反応が「いいね」とか「私も興味を持つようになった」と言ってくれたことが嬉しくて、もっとこの学びを深めたいと考えるようになりました。

その後、1つ上の先輩が「トビタテ!留学JAPAN」のことを勧めてくれたんです。スタディツアーで得た学びを深めたいと考えていたので すぐに応募し、フィジーとタンザニアへ教育ボランティアとして5週間活動することになりました。現地の小学校で英語を教えたり、村おこしとして教会を建て直したり、本当にいろんなことをしました。
そこで考えたのは「フィジーの幸福度が日本よりも高いのは何故だろう」ということです。フィジーは衛生状態も良くない、お風呂のシャワーもちゃんと出なかったりするのに。 探究活動の一環として現地でアンケートを取ったりもしました。
その時に思ったのは、先進国が自分たちの価値観や尺度を基準にして、後進国を“助けてあげよう”と考えて支援することは傲慢なのではないかということでした。トビタテの留学を通じて、国や地域それぞれの状況や文化に応じて、適切な支援ができるようなシステムを作ったり活動ををしていくことにさらに深く関わりたいと思うようになりました。

トビタテ フィジー. ホームステイ先のお家でJPG
トビタテ  タンザニアアルーシャの学校 3,4,5,歳のクラスでお昼ご飯のスープを飲んでいるところ 

↑フィジー(上)とタンザニア(下)での活動の様子

日本の学校に戻ると、中高一貫校ということもあって高校2年生から受験勉強一色になったんです。それに違和感があって。自分はまだまだ知らないことがたくさんあるし、フィジーやタンザニアでの経験を通じて考えていたこともあったので、ここを離れて人間として成長できる場で学びたいなと思いました。大学へはその後に進学したいと考えたんです。

その後に人づてで、UWC(United World College)のことを聞いて、奨学金などについても確認したうえで挑戦してみることにしました。世界90ヶ国から志や想いを持った生徒が集まって来ているところに惹かれて。
単純に英語が勉強したかったというわけではなく、スタディツアーとトビタテでの留学経験を通じて感じた「貧困を教育で解決すること」についてや、世界の諸問題について学ぶにはここが一番適しているのではないかと思ったんです。

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↑説明を終えてホッと一息の小宮さん

自然と「頼り頼られる関係」になり、“ことが起こせる” ようになる

———留学をしてよかったと感じていることを教えてください。
池本くん:
地域みらい留学をしてよかったことは大きく分けると2つあると思ってて。ひとつはいろんな活動に関わる機会が多いこと。もうひとつは、ひとりひとりが認められていることです。

ひとつ目の「いろんな活動に関わる機会が多いこと」についてですが、津和野という街は人口7,000人ぐらいの本当に小さい街なので、何をやるにも人手が足りないんですよ。 だからいろんなことに参加させてもらえる機会がすごく多いんです。例えば「空き家を掃除するから手伝って」とか、町内でフリーマーケットのようなことをやる時も「出店してみない?」というお誘いが来るんです。参加ではなく出店のお誘いが(笑)大人だからとか高校生だからという線引きがあまり無いんです。イベントや日常の活動に参加させてもらえる機会が本当に多い。普段からいろんな人たちを手伝っていると、自然と「頼り頼られる関係」「“お互い様”の関係」になるんですよね。すると、自分たち(高校生主導)で “ことが起こせる” ようになるんです。僕は『カフェを使って朝 読書できる場所をつくろう』という活動をやったことがあるんですけど、その時に周りの方々に声を掛けたら 本当に来てくれたんです。

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↑池本くんが企画したカフェを使った朝読書空間

もうひとつの「ひとりひとりが認められていること」についても話します。津和野高校は県外からの生徒が僕の学年は3割ぐらい居たんですけど、一風変わった人が多いんです(笑)音響をイジるのが好きなので文化祭のステージ設営やっちゃいましたとか、好きな音楽が流れると思わず踊ってしまうとか(笑)地元の子の「ずっとここに居るからこそ話せる話」もすごく面白くて。1クラスも(池本くんの代は)15〜16人ぐらいだったので、クラスで話したことがない子は居ませんでした。
留学生の中には前の学校でいじめられたり不登校だったりで、リセットの意味合いで入学してくる子も居るんですけど、特別扱いされることは全然ありませんでした。学校が「個性を自由に表現していい場」になっていて、すごく雰囲気がよかったんです。埼玉の中学校の頃は「どれぐらいみんなと同じで居られるか」という雰囲気を感じながら過ごしていたので、そこ違いはとても大きかったですね。

小宮さん:確かに小中学生の頃は、変に目立つと「ちょっと目に付くよね」みたいな声がすぐ聞こえてきて、自分の気持ちや個性を閉ざしてしまう時期もありました。なので、すごくよくわかります。

池本くん:別の角度からも話すと、学校側も生徒の個性や興味の範囲を広げるためにサポートしてくれるんです。例えば「○○の問題に取り組んでみたいんです」と先生に相談すると、学校の中に居るコーディネーターの方が地域の人と繋げてくれるんですよ。少しの興味が、具体的な活動に発展しやすいんです。学校にも街にも高校生の活動を応援してくれる人が多いので、活動自体をはじめやすいというのはあると思います。

池本次朗
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↑地域の方々との活動の様子

留学によって「新しい視点」を獲得できる

———お互いの留学体験を聞いて共通していると思うことはありますか。
小宮さん:
池本くんの話を聞いて、留学する場所や目的、体験することがそれぞれ違っていても、自分が慣れ親しんでいる場所から勇気を持って離れて生活していくことで「自分の意識が変わる」という部分は共通していると思いました。

池本くん:大事なことを思い出しました!留学をすると、いろんな物事を見る時に2つの軸で比較できるようになるんですよね。都心部と地方という2つの視点でいろんな物事を考えると、価値の在り方だったり見え方が面が全然違うことがあって。埼玉の狭い世界からの視点や “ひとつの ものさし”しかなかったものが、留学して異なる場所からの視点を得ることで 今まで当たり前だと思っていたものが当たり前じゃなかったと気付くんです。「新しい視点」を獲得するというのは、留学の大きなメリットだと思います。

小宮さん:(とても頷きながら)すごく共感します!自分の家族や地元の親しい友達って、自分と考え方や好みがどうしても似てくるし、似てる人が集まってくるじゃないですか。自分と通ずる部分も多いし。でも留学先で自分と全然違う人たちと接すると、「今までの自分って何だったんだろう」とか「『自分』って何だろう」ということを考えることになる。自分の中での当たり前が当たり前じゃないということに気付くことが留学で得られるとても大きなものだと思います。これはやっぱり慣れ親しんだ場所を離れないと得られなかったと思うんです。

池本くん:「今までの自分のことを振り返る」というのは本当にその通りだなぁと感じました。僕もそうだったので。そのうえで、もうひとつ思い出したのは、善悪の判断を保留するようになりました。善悪の判断ってひとつの視点から見ると割とハッキリすると思うんですよ。でもふたつ以上の視点で見ると善悪の判断はとても難しくなると思うんです。例えがあんまり見つからないけど(笑) 

小宮さん:言いたいこと分かります!留学先で自分とまったく違う価値観や受け入れ難いものと遭遇した時、何でも一旦受け入れる広い心を持ちたいなと思ったんです。すぐに拒絶して差別したり、これは悪だと決めつけるのではなく。確かに留学ってそれが大きいのかもしれないなぁ。自分と違うものから学ぼうとする姿勢で受け入れていくと、どんどん自分の考え方も深まるし、大きい成長に繋がるんじゃないかなと思いました。生活する場所や環境を変えることによって、そういう姿勢になりやすくなると思います。

心を許した人たちが訴えかけてくることは響く

———「長期留学だからこそ得られた」と思えることはありますか。
小宮さん:
今通っているイギリスのUWCは、サステナビリティを考えている学校で、生徒の6〜7割以上がベジタリアンだったりするんです。食堂でも週に2回ぐらいしかお肉のメニューが出なかったり。私は環境問題についてあまり深く考えたり疑問を持ったりしていなかったんですけど、この学校に入ってみるとそういった問題を拾い上げて活動している同級生に出会うんです。そういう子と友達になって詳しい話を聞いた時に、今まで自分がいかに環境問題を、日本でも知る機会があったにも関わらず無視していたかということに気付かされました。そういう体験や反省を、学びに変えていこうという姿勢がすごく身に付いたと思います。長期留学をすることで、心を許したルームメイトやお互いを理解し合った人たちが訴えかけてくることは自分に響くし、「行動してみよう」「もっと理解しよう」という姿勢になりやすいんじゃないかなと思います。

UWC AC 友達と
みなみちゃんUWC

池本くん:ほんとにそれはあると思います! 津和野の特徴として、IターンやUターンの20代や30代の人が多いんです。東京などでいろいろやってから津和野に移住してきた方々のリアルな話を聞けるんです。僕が津和野に住んでいた時の下宿先の1階がバルだったんですけど、そこで出会う人たちから普段話してくれないような深い話を聞いていました。それが面白くて。「俺はこういう時こうしたよ」とか「こうしておけばよかった」という話を直接の聞けたのは貴重でした。仲良くなると敬語も使わずに友達のように話せるようになっていました。講演会のようなものでは決して得ることができない経験ができて本当によかったと思っています。
首都圏と比べると人口は圧倒的に少ないんですけど、自分が仲良くなった人の数は、埼玉に残っていた場合(想像)と比較すると圧倒的に多かったんじゃ無いかなと思います。

池本くん下宿メンバー

自分の意志や気持ちを曲げる必要はない

———コロナ禍での留学を検討中の中高生に伝えたいこと
小宮さん:
伝えたいことは「ぜひ留学をしてください!」ということです。まわりの人たちに迷惑が掛かることもあるかも知れないし、不安や気になることも多いと思うんですけど、自分の意志や気持ちを曲げる必要はないと思います。学生の時間ってすごく貴重だと思いますし、そのチャンスを前向きに使って欲しいし、コロナ禍とか関係なく自分の興味があることややりたいことに正直であって欲しいなと強く思います。私もとても心配な部分はありましたけど、留学を受け入れてくれる人たちは生徒たちの学ぶ意欲をいちばんに考えて動いてくださいますし、そこに頼っていいと思います。

池本くん:コロナ禍という状況になったからこそ、自分で決めるべきだと思います。留学をして得られるものは別にコロナ禍でもあんまり変わらないと思うんです。実際、去年はいろんなイベントができなくなったりしたんですけど、逆に「じゃあどういうふうに動けばイベントを開催できるか」と考えることができた。町がイベント開催のガイドラインを作る前に、自分たちでそれを作ったりしたんです。考え方を変えて、その状況自体を生かすことができれば、向かい風を追い風に変えることができると思うんです。
もちろん留学は新しい環境というストレスもあるし、いいことばかりではないけど、行きたいんだと思えたのであれば行ってみるといいと思います。

小宮さん:何か思うことがあるのであればそれに正直に、変に親や先生に気を遣わずに動いてみるのがいいと思います!

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対談を終えて〜留学の本質について考えてみた〜

「留学中に出会った人たちの中で『この人の影響をすごく受けた』という人は居ますか」と質問をした私。これに対して「1人じゃなくてもいいですか」と聞き返してきた小宮さん。困った顔をしながら「5人以上になっちゃうなぁ」と言った池本くん。

ここに“留学の本質”があるのではないだろうか。

「ヤンキーインターン」等の事業を手掛けるHASSYADAI social代表の勝山さんが昨年の地域みらい留学の対談イベントの中で次のように話されていた。

僕はカッコイイ人生を生きたいなぁとずっと思っていたんですよ。
でもカッコイイ大人と出会うまでは、自分の中でのカッコイイの定義が「ヤンチャすること」だったんです。本当にそれがカッコイイと思っていたし、それしか知らなかった。
この仕事でよく少年院へ講演をしに行くんですけど、そこに居る子たちが今一番なりたい職業って「ラッパー」や「先生」なんですよ。なぜかというと、彼らが知っているカッコイイ大人がその人たちだから。
〜中略〜
僕がまだヤンキーだった時に、あるキッカケで大学生たちと話す機会がありました。未来に明るい希望を持って語る大学生たちを見ているうちに、自分の中でのカッコイイ大人の定義がだんだん変わっていったんです。

小宮さんも池本くんも、留学生活を送っていく中でさまざまなカッコイイ大人や魅力的な仲間たちに出会ってきたのだろう。
その出会いの数と体験の質が 「謙虚に相手の話を聴く姿勢」を磨き、「異なる価値観を受け入れながら考えていく力」を育んでいったのではないだろうか。(小宮さんと池本くんそれぞれに、この姿勢と力がなければ 今回の対談は成立しなかったはずだ)

コロナ禍の今こそ 最も大切にしたいことは「人との出会い」だ。これを教えてくれたふたりの将来と、これから“越境”を選択する未来の留学生たちを心から応援したい。

本記事は、2021年5月23日(日)開催のオンラインイベント『トビタテ!留学JAPAN船橋力さんと考える 未来を生き抜くためのチカラ』に繋がる事前対談です。当日は船橋力さんと「地域みらい留学」の代表理事を務める水谷智之が同テーマおよび、コロナ禍での留学について掘り下げていきます。
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【写真提供:小宮南泉、池本次朗 ライター:内海翔太(地域みらい留学事務局)】


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