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「おためし地域留学」 in 北海道標津町


「おためし地域留学」とは?

「おためし地域留学」は、「地域みらい留学」を推進する地域・教育魅力化プラットフォームが全国100以上の地域と築いてきたネットワークを活用し、地域の学校・自治体・ローカルプレーヤーと連携して初めて実現できる、”ここでしか得られない本物の体験”を提供するプログラムです。

今回ご紹介するのは、2024年8月6日(火)-8日(木)の2泊3日で実施した北海道標津町でのプログラム。参加してくれたのは、東京・山形・愛知・京都・島根から、中学3年生6名、中学2年生3名の9名です。3日間の様子をレポートします。

標津町の町の方が作成した当日の様子をまとめた動画もありますので、ぜひご覧ください。

DAY1「おためし地域留学 in 標津町」

13:15 中標津空港で集合

北海道の道東にある中標津空港で、約10名の標津高校の生徒が参加する中学生をお出迎えしてくれました。中学生が集まると、自然に円になって、高校生から「北海道ははじめて?」「好きなことは?」などの質問から会話が始まり、早速打ち解けていました。

横断幕を持ってお迎えする地元高校生
円になってコミュニケーションを取る

14:00~17:00 「安達牧場」体験

まずは、公民館にある体育館でチェックイン・オリエンテーション。受け入れてくれる高校生や大人も交えて、今回のプログラムに期待していること、好きなこと・得意なことなどについて、1人1人、しっかり自分の言葉で、語ってくれました。牛や生き物が好き、行ったことのない新しい所へ行ってみたかった、地域留学に興味があったなど、参加動機はさまざまでした。

みんなで自己紹介1
みんなで自己紹介2

チェックインの後は、ご夫婦で酪農を営む「安達牧場」さんを訪問して、牛のお世話などの酪農体験をさせていただきました。

牛のお世話をするにあたっての注意事項を聞いたあとに、実際に牛舎に入り、日々の仕事現場を見ながら牛にご飯をあげたり、色々な設備を見せていただきました。

搾乳中の牛たち
牛舎の中を見学
牛にご飯をあげる

体験が終わった後は、安達さんご夫婦が酪農を営むきっかけや大切にしていること、これからの酪農(一次産業)の未来などについて、お話を聞きました。安達さんからは「日本の酪農を変えるきっかけになる流れをつくりたい」という想いや、「夢や自分の好きなことみつけること」や「いろんなことに当事者意識を持つこと」の大切さなどを、熱く語っていただきました。

体験後に安達さんご夫婦と対話する
みんなで集合写真

17:00~20:00 高校生×中学生でクッキング!

酪農体験のあとは、標津高校に移動し、標津高校のフードデザインコースの生徒が考案したスペシャルレシピをもとにみんなで料理しました。標津の名物である鮭を加工して作った鮭節を使ったカレーや唐揚げをつくり、標津産の新鮮なホタテの殻剥きなどを行いました。

当日は受け入れてくれた標津高校の生徒会長が誕生日だったこともあり、ケーキを用意してサプライズでお祝いする時間などもあり、アットホームな時間が流れていきました。

高校生に教えてもらって料理する
人生はじめてのホタテ剥き
楽しく「いただきます!」
バースデーケーキを食べながら、残ったデザートの争奪じゃんけん!

20:30頃には、今回の宿泊先である「恵盟寮」(実際に寮生が暮らしている寮)に到着して1日目終了し、朝早かった生徒のみんなゆっくりからだを休めました。

DAY2「おためし地域留学 in 標津町」

7:30~9:00 寮での朝食と1日目の振り返り

恵盟寮で日々食事を作ってくれる寮母さんお手製の朝食をいただき、1日目の振り返りをしました。「おためし地域留学」では、体験したことを絵日記の形で残して、みんなで印象に残ったことを振りかえっています。

1日目を振りかえる

9:00~13:00 ポー川史跡自然公園 散策&カヌーアクティビティ

2日目の午前中は、ポー川史跡自然公園という、一万年の昔から連綿と人の暮らしが続いた古代遺跡や自然環境や豊かな湿原が残る場所で、園内を散策し、ポー川をカヌーで下るアクティビティを行いました。

散策では、普段味わえない広大な森や湿原に圧倒され、縄文時代の遺跡とされる住居跡は、壮大な歴史をかんじさせてくれました。生徒もその光景に思わず「すごい!」と言っていました。

標津湿原の中を歩く
大きなフキの葉ー北海道に住む「コロポックル」という妖精のモチーフだそう

カヌー体験では、はじめ自由に操作できずに草むらにつっこんでいくグループもありながら、後半は操作にも慣れてスイスイと漕ぐことができるようになり、みんなとても楽しそうにアクティビティを満喫していました。

カヌーでポー川をくだる
川をくだりきって全員集合

13:00~16:00 標津「町」フィールドワーク

午後は2班に分かれて標津町のことを更に体感するフィールドワークを実施。1つの班は、森の中に入って川で渓流釣り体験。もう1つの班は、標津の町の中心を散策し、標津神社や北方領土館で歴史を学び、日本最大の「砂嘴(さし)」(=海上に長く突き出た地形)を持つ野付半島に行きました。

釣り班は、あいにくの雨模様の中でしたが、ヤマメなどを中心にみんな爆釣。1人で20匹以上を釣る生徒もいて、とても盛り上がりました。

森の清流で釣り
ヤマメの子ども!

散策班は、国後島(北方領土)が目で確認できるほど近くにある標津町で、普段は触れることの少ない北方領土の歴史や、ビザなし交流等の取り組みで今も交流を深めていること等を学びました。野付半島では、野生のエゾジカやキツネを見ることもでき、みんな盛り上がっていました。

標津神社で町の歴史を学ぶ
浜辺を駆けるエゾジカ
興味ありげにこちらを見つめるキツネ

16:00~17:00 標津「高校」フィールドワーク・見学

町のフィールドワークに続いて、高校にも訪問して校舎内を標津高校生のみんなが案内してくれました。生徒からの高校紹介のプレゼンテーションや、実際に高校生が校舎を案内しながら、説明してくれたことで、高校生活の雰囲気なども伝わってきました。

生徒からのプレゼンテーション
学校のことを説明する標津高校生

17:00~20:00 みんなでBBQ!

日中のフィールドワークのあとは少し長めの休憩をとってゆっくり過ごし、夜は町の大人の皆さんも交えてBBQをしました。鮭やホタテなどの標津名物や、北海道名物のジンギスカンなど、美味しい食材をたくさんいただきました。

休憩時間ー海岸沿いを仲良く歩く中高生
みんなでたのしくBBQ1
みんなでたのしくBBQ2

BBQ後は、寮に戻ってみんなで花火をして、最後の夜を楽しみました。

寮の前で花火
アイスを食べながらみんなでお話し

DAY3「おためし地域留学 in 標津町」

9:00~13:00 3日間の振り返り・サーモンパーク訪問

最終日は、3日間の振り返りを行い、印象に残ったことや町や高校のことで魅力に感じたことなどをディスカッションしてまとめていきました。

参加した中学生からは、「標津の人のよさをとても感じた」「高校生の皆さんが優しくて友達になれた」「自然が多くて魅力的なところだった」「自然の長い歴史がある町ですごいと思った」などの意見が出ていました。

最後個人の感想や気持ちを発表する場面では、「標津町や高校で学ぶと優しい人たちと楽しく生活できると思った」や「豊かな自然にふれながら過ごせることが魅力だと思った」などを、受け入れてくれた高校生に向けて発表していました。

3日間を振りかえる
振りかえった内容を共有する
最後、参加した中学生個人から感想や感謝を高校生に伝える

振り返りが終了したあとは、標津サーモンパーク(標津サーモン科学館)で自由時間を取って、全員で集合写真を撮って全日程が終了。最後は、仲良くなった高校生との別れを惜しみながら解散となりました。

みんなで集合写真

今後も全国でプログラムを展開予定です。地域への一歩を踏み出してみたい!中学生のみなさんのご参加をお待ちしています。

<一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム>
「意志ある若者にあふれる持続可能な地域・社会をつくる」というビジョンを掲げ、2017年3月に島根県に設立した教育事業団体です。

日本全国100高校以上と連携しながら、中学卒業後に地域の枠を越えて生徒一人ひとりの夢や価値観に合った地域・学校で1〜3年間過ごすことができるシステム「地域みらい留学」をはじめとした、教育事業や地域活性モデルをつくり続けています。